産業廃棄物処理業者が、現に委託を受けている産業廃棄物の処理を適正に行うことができなくなる、あるいは困難となる事由が生じる場合があります。

その際に、遅滞なく、その旨を委託者に対し通知しなければならない制度を「処理困難通知制度」といいます。

具体的には次のような場合が該当します。

1.事業の用に供する産業廃棄物の廃棄物処理施設において破損その他の事故が発生し、当該施設を使用することができないことにより、当該施設において保管する産業廃棄物の数量が保管上限に達した場合。

2.産業廃棄物処理業等の全部又は一部を廃止したことにより、現に委託を受けている産業廃棄物の処理がその事業の範囲に含まれないこととなった場合

3.事業の用に供する産業廃棄物処理施設を廃止し、又は休止したことにより、現に委託を受けている産業廃棄物の処分を行うことができなくなった場合。

4.事業の用に供する産業廃棄物処理施設である産業廃棄物の最終処分場に係る埋立処分が終了したことにより、現に委託を受けている産業廃棄物の埋立処分を行うことができなくなった場合。

5.産業廃棄物処理業者等が欠格要件に該当するに至った場合。

ただし、その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者、暴力団員等がその事業活動を支配する者を除きます。なぜなら、そもそもその時点で許可取り消しとなるからです。

6.事業停止命令を受けた場合。

7.産業廃棄物処理施設を設置している場合において、施設設置許可の取り消しを受けた場合

8.産業廃棄物処理施設を設置している場合において、改善命令等を受け、当該施設を使用することができないことにより、当該施設において保管する産業廃棄物の数量が保管上限に達した場合

以上のような理由で、委託処理業者から処理困難通知を受けた排出事業者は、処理業者が処理を適切に行えるようになるまでの間、その業者に新たな処理委託を行わないようにしなければなりません。

さらに、通知を受けた際に、処理業者に引き渡した産業廃棄物について処理が終了した旨のマニフェストの送付を受けていないときは、通知を受けた日から30日以内に都道府県知事あてに報告書を提出しなければなりません。